更新日記


2001年
12月3日 日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」第1巻の愚痴。こんなこと思うのは私だけでしょうか……。まあ、面白いんだけどね、実際。でも、あれはないだろう、とどうしても叫びたかったのである。やっぱさ、一人で何から何までこつこつ書いている漫画家に対して失礼でしょ。おいしいとこだけ自分で描いて、あとはアシ任せってそんなんでいいんかよ、アシも作家の個性に筆をそろえてほしいよなー。
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12月3日 稲光伸二「フランケンシュタイナー」の感想。別にどうってことない作品だけど、わかりやすいはちゃめちゃ漫画になりそこなった成れの果て。ほんとにもったいない。次回作に期待。
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11月26日 私は山口ノボルと同じ誕生日でした。
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11月19日 田中ユキの新刊「フェティッシュ」に収載の「複雑な彼女」の感想。短編ばかりだな、最近。長編でなんかあるかな。
 あー、そばがきが食いたい。
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11月5日 「プラネテス」第2巻の感想。急いで書いた、乱雑、言い訳。最近パソコンを買い替えようと思って思考錯誤中。あと、このホームページも移転予定。とりあえずプロバイダにスペースを確保。でも、ここってデザインそっけないからな……これで上の広告なくなったら、なんとまあ無味乾燥なところになっちまうんだろう……まあ、それよりもパソコンどうするか考えよっと。
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10月29日 2ヶ月ぶりの更新。掲示板にも書いたけど、まさかヤクルト・スワローズが優勝戦線に絡むなんて思いもしてなかったもんだから、それでも6月7月の好調もいずれ夏の暑さでやられちまうと期待してなかったけれど、あつーい8月に大きく勝ち越して、こりゃひょっとしたらひょっとするぞとばかりに急に焦ったようにそわそわして、それでも浮かれ気分で仕事に取り組むほど気楽じゃないから、興奮抑えてじっとして家に帰ってすぐにラジオ聞いて結果に一喜一憂、ところがショート宮本離脱・捕手古田欠場という事態に至って発狂寸前、同僚の巨人ファンの笑顔・彼は別にプロ野球の話題を社内でするわけではないが、それを見るにつけ苛々募って一人胃が痛くなるような日々に堪えかねて、休日おとなしく漫画読むのもままならずふらりと映画観に出かけて、それでも気になる試合中継にラジオ・時にはインターネットの試合速報にかじりついて、そういえばここの更新どないしようという呟きなんてすぐ消えて、あー勝った・しんどい試合だった、あー負けた・疲れたもう寝よと、まったく自堕落なことったりゃありゃしない。マジックが一桁になってもいまだ騒がしいマスコミの巨人翼賛運動に加えてとんちんかん解説者の煽り文句に高血圧で死ぬんじゃないかとばかりに怒り心頭、実際偏頭痛がひどくって本なんか読んでらんないもんだから、疲れた中年親父よろしく毎日だらだらしていて夏ばてのようになるに及んでついにマジック1になりながらも続く勝てない試合の連続に死にそう。リーグ優勝はラジオで聞いた。バンザーイと小躍りしながら若松監督のしどろもどろの「おめでとうございます」に笑ってはしゃぎ、次に待つものがスポーツニュースのはしごとなれば寝不足必至で、シーズン終了後は日本シリーズの勝敗の行方が気になってまたまたスポーツニュース三昧で、いよいよ始まった日本シリーズに正座して臨むと第一戦の石井一久の快投にしびれて第二戦は途中で見るのやめて神宮三連戦。近鉄の打線にすっかり火をつけちまったと思って、しかも先発は入来、こりゃ4、5点覚悟を決めて見れば1失点でびっくりした。続く前田先発に今度こそ大量失点と思ったらまた1失点。なんかほんとに日本一が見えてきて、それでも弱小時の負け癖・慣れと自虐癖があるのがヤクルトファンだから、こりゃ絶対何かあると手のひらにたくさんの汗を湿らせながら息を殺して猛牛をうかがうものの、高津もピシャリと抑えて3勝目であとひとつまで来て、それでも次負ければ流れは近鉄だなーと思うと、今年のプロ野球はとかく流れ流れとうるさい解説実況が目立ったなと振りかえる余裕もあって、なんか根拠ないけど勝てる気がして、それでも弱気な私はわざわざ残業して帰宅すれば、第5戦は4回終えて4対0で優勢なものだから、直後にローズの2点タイムリーが飛び出してうぎゃーと叫ぶも負けられない試合に投手の踏ん張りに緊張し、再三の好機も得点できず、両チームの次の一点への執着心が球場のみならず視聴する私をも巻き込んで慄然とした。9回になってもなお粘る近鉄は大村が出塁してローズへ回せとばかりにシンカーに食らいつく打者と高津の根競べに失神寸前、なんでもいいから空振りしてくれと祈ったらキャッチャー邪飛を古田丁寧につかんで、わたしゃ飛び跳ねたよ。
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8月20日 まだまだ夏真っ盛り。私もやけっぱちで感想書いたよ。
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7月30日 夏真っ盛り。「千と千尋の神隠し」を観た、感激した。また観た、また感激した。いつも何度でも観たい気分、雰囲気絶品。
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7月9日 夏は嫌だ……。ひぐちアサ「ゆくところ」の感想は苦し紛れ……当分こんなのが続きそうだ。スワローズがんばれ。
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6月25日 木村紺の最新刊「神戸在住」第3巻。やっぱいいなー。今回はこれしかないといった感じ。ひぐちアサも視野に入れていたけど、まあ、こっちはいずれまたの機会に。
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6月18日 秋重学の短編集、原作なし。やっと短編が読めた。印象ないけどちょっと気になる作家だった。短編はいいんでは? また描いてほしいな。原作なしで。大変だろうけど、がんばって。絵はいいんだから。でも、短編集の表紙の背景はちょっとね……。
 2ちゃんねるで「漫画家達の愚痴スレッド」があって、読者は関係ないのかと長らく見ていなかったけど、ちょっと見てみた。やっぱり、ネット上の書評はだいぶ無責任という印象を与えているらしいですな、いや、もちろん無責任ですけどね。まあでも、批評も作品とみれば逆にそれについて文句言えるわけだから、怒りを嘲笑に変えてその批評を批評した方が良いと思う、互いのために。というか、ここは知られてないのかもしれんが。検索にも引っかかりにくいんだよな、うちのサイトって。さて、今週末に「神戸在住」第3巻が登場、楽しみ。
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6月4日 予定通り高野文子の新作「二の二の六」の感想。単行本化前の作品を取り上げたのははじめて。頁指定は作品の一頁目から数えたものだから、雑誌掲載時のそれとは違うけど。単行本化されたらまた変えればいいだろう。それにつけても「アフタヌーン7月号」の表紙には引いた……「ディスコミ」は当初こそわけわからんがおもしろいなーと思いつつ読んでいたが、結局訳わからないまま惰性で買ってた挙句、今では読むのも嫌になってしまって、それは植芝作品全体に通じ、「夢使い」もその頁に触れることさえ憚られたものだから、買うに戸惑ってしまったよ、こんな表紙の為に……。こういうのって最近では他に「MAJOR」という野球漫画がある。やっと縁を切ったが、書店で表紙を見るたびに主人公の低能さと意味不明の展開を思い出して苛立つ。でも、思い起こせば小学生の時分なんて連載終わらずにずっと続いてくれと思っていた漫画があったもんな、今思えば、ひどいことをしていたもんだ。一度売れた作家には、褒美にあらかじめ連載期間を定めて好きに描かせるってことくらいしてほしいけど、そうもいかないのかな。もっとも、編集者と読者に尻たたかれなければ漫画描けない漫画家もいるのかな?
 さて、「メトロポリス」についていろいろ書いてしまったが、実はまた観てみたいのだから困った。うーん、物語がどうこう言って非難しながらも、やっぱり手塚キャラが動いているのって結構嬉しかったりする。まあ、いいか。先週の感想文で気が晴れたし、あとは時間が出来たら見にいこう。
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5月28日 今回は緊急企画のついでに映画夜話、手塚原作の映画「メトロポリス」の感想文。読めばわかるとおり、あまりのつまらなさに腹立ってます。はじめから期待していなかったらそんなことなかったろうけど、やっぱり手塚治虫原作ときたら物語に期待してしまうよ。でもよかったのは作画だけ。げんなり。実写だと役者の演技を観ているだけでいいのもあるんだけど。まあ、よかった演出がなかったわけではないんだけど、全体像があまりにも……最低ですよ……
 さて、本当は今回は高野文子の新作「二の二の六」を取り上げようと思っていたけど、これは次回以降に延期です。2周年企画は全然進めないし、時間がほしいね。観たい映画もたまってるしな、上映終わってしまうよ。
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5月21日 緑川ゆき「あかく咲く声」の感想文。疲れた。
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5月7日 これまで何度もあの感動を言葉にしようと試みて果たせなかった一色まこと「ピアノの森」の感想文。やっと書けた。疲れるね、こういうものを言葉で伝えようとする作業は。読んだ人ならわかると思うんだが。
 さて、遅まきながら地道にサイト開設2周年企画進行中。特別やらないと前言ったけど、作品別感想文の拡大版といった感じの案が浮かんだので、今少しずつ書いている。今月中には形にしたい。あと、風景のことね。まだ飽きずにそれらの本を読んでいる。まあ、こっちの企画はまだ形にもならず勉強中といったところか。
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4月30日 岩明均「雪の峠」の感想文。なんか中途半端に資料集めたせいで内容も中途半端。秋田まで行って資料漁りたいくらいだよ。まあでも、傑作だよ、何度読んでも面白いし、傑作、これは間違いない。伏線についてもあれこれ書こうと思ったけど、なんか虚しいというか、何度も読んだので自分自身が白々しくなったのでやめた。
 そういえば連休か。私は仕事。もっとまとまった時間があれば、いろいろと書きたい物の構想が練られるんだけど。映画も観てないや……。映画の感想も書きたいし、うーむ、まいった。
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4月16日 日本橋ヨヲコ「CORE」の感想文を追加。感想文らしい感想だな。一応他の短編に触れて絵がどうこう言ったけど、要は最後の文章だからね、漫画に対する――。読んではいないが、日本橋は現在「IKKI」で「まんが道」っぽい作品を描いているというではないか。嬉しい話だ。単行本化されないもんかね、早いとこ。
 さて、次回あたりで開設2周年企画といきたいが、普段通り行くことにした。まあ、更新内容がちょっと増えるくらいかな。ひとつの感想文がふたつとか、文章量が増えるか。4月下旬はまた観たい映画が目白押しなので、漫画ばかりというわけにもいかんし、読みかけの本がたくさんあって……と言い訳がましいので、きっぱりと覚悟を決めて、どうにか更新する。
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4月9日 小田扉「スミ子の窓」の感想文を追加。今年に入ってから昨年とはまるで違って面白い作品に次々と遭遇しているので怖いくらい。「度胸星」は予想されていたことだが、その後の「プラネテス」「魁! クロマティ高校」「坂口尚短編集第2巻」「サトラレ」「こさめちゃん」となんかもうこれだけで今年のベスト10作品のうちの半分が埋まってしまったんじゃないだろうか……というほどの充実ぶり。と思っていたら、近藤ようこの作品集「火宅」がまた出るは4月に入ったら日本橋ヨヲコの短編集と短編好きにはたまらない最近の盛況に、一体全体何事かと。単に私の許容量が広くなっただけなのかな。まあしかし、根暗の汚名を返上してくれた、とは言い過ぎだが、「スミ子の窓」は個人的にお気に入り。それはつまり、私が暗いということなのだが、また文面からでは伝わりにくいが、私も主人公よろしく変に冗談言う先生は嫌いで仲良くする気もないし、あんたはきっちり教えていりゃよいという偏屈だったから、スミ子に感情移入してしまった。それだけに終盤の展開は感動してしまったよ、映画「サトラレ」で不覚を取ったことといいこれといい、歳かな……。一応人間が丸くなったということにしておこう。
 時間って、あればあったで無駄にしてしまうものだな……次回更新時こそは、もっと書くぞ。
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4月2日 書くことはあったけどまとめるほどの余裕がなかったので、こういう時はとりあえず浦沢直樹作品を取り上げるとなんか出てくるからよい、という次第で作品別感想にもなにか書くつもりだったけど、こうなった。浦沢直樹「MONSTER」第16巻117頁のこと。実際は、どこかで貴重なLPのサンプルを見て、それを描き写しただけだろうけど、こう読めばキャラクターも報われると思って書いた、せっかく調べたことだし。
 さて、眠いので後日……時間がもうちょっと欲しいね……一応今後の予定としては、小田扉作品(「スミ子の窓」を考えている)、岩明均作品(たぷん「雪の峠」)、いつも考慮中の近藤ようこ作品(「アカシアの道」はすでに公開中、観たいな…)、またまた坂口尚作品と、いろいろ思案中である。
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3月26日 作品別感想に坂口尚「紀元ギルシア」のこと。ベルクソンの「時間と自由」という本を下敷きにして以前読んだ四次元の本を思い出しつつ書いたが、難しい。というか、まだ全部読んでいない。副題からわかるように「VERSION」考の前振りね。言葉が主題なだけに言葉で説明するのはしんどいよ。ベルクソンはえらいねー。というわけで、坂口尚短編集買いましょう。
 いつもネタに窮しているのに最近は書くことが増えた、怠けていただけだが、映画「サトラレ」の感想はまた後日。いや、また観ようと思って。先日つまんない映画観ちゃって、腹立って口直しに観る。あと、岩明均「雪の峠・剣の舞」を買った、待ってたよ、岩明氏、すっとぼけてんだか真面目なんだかわかんない作風は絶品ですな。
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3月19日 「絶対助けてやる」
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3月11日 野中英次「魁!クロマティ高校」第1巻に登場するメカ沢新一という人物についての考察。連載中の作品の感想はこれが二度目。最初が「神戸在住」で、次がよりによりってこれとは……。この作品の本当の姿を知りたい人は非公式ファンページに行っておくれ。真面目にバカやるって難しい。
 それからリンクを2件追加。ようやく。遅れてすみませんでした、八幡さんの誰かの雑記帳と真心さんの漫画考察。両サイトとも今年初めに出来たばかり。地味でもいいから更新続けてね、人の漫画話って大好きだから。
 あと漫画の批評についての話し。一月ぶりで忘れたなーと思ってたけど、これは今回の意味不明な感想文に通じるところがあるんだけど、漫画の批評って絵について語らないといかにどうとでもこじつけが出来てしまうかってことなんだよ。「魁!クロマティ高校」ってギャグ漫画だからね、あの感想は的外れも言いところ、というか故意にそうしたんだけど、未読の人はあれ読んで混乱すると思う。最近は漫画系サイトだけでなく、映画系サイトにもちょっと出入りするようになったんだけど、そこで語られる映画の内容もまさに映画の内容でしかないんだな。演出に映像や音楽、そして脚本に役者の演技からいろいろと書くべき事はあるだろうに、映画のあらすじを自分で咀嚼して解釈して、それについて言及しているのがひじょーーに多くてびっくり(あと、映画には「パンフレット」という武器があるから、これ使ってる所もあるね)。まだ漫画系サイトのほうが質が高いの多いよ、ほんと。なんでだろうね。その人の論調は決して単純なものではないし、いろんな角度から作品について考察しているのだが、肝心かなめの絵について・演出についての分析がほとんどない。映画批評よりも未開発な漫画表現の批評だからこそ、素人にも立ち入る隙があるんだけど、やっぱり怖いのかな。かく言う私も怖いところあるけどね、誤読してるんじゃないかって。あるいは専門家にあほかって突っ込まれるんじゃないかって。で、こういう思いを強くしてくれるサイトがあって、電脳的漫画論とかいうところなんだけど、なんだろうね、あそこは。特に「私観」を書いている人。「ドラえもん批判」っていうのがあって、びっくりするような論調でドラえもんを貶めている。まあね、単に嫌いとかなんとか言うなら構わないんだけど、本人は論理的に批判しているつもりなんだからまたびっくり。はじめは冗談かと思った(キテレツ大百科が藤子・Fの反省の結果できたとかなんとか言ってるし……。チンプイ知ってる? F氏の最後のオリジナルキャラ漫画。主人公のエリはのび太同様の怠け者なんだけど。)。それこそ今回の感想文みたく。いちいち正確に引用するのもばかばかしいくらいで、掲示板ではそれに同調する常連もいてさらにびっくり。おいおい、君たち……。1月29日の更新日記があんな内容なのもそれを読んだせいなのだが、呆れた。現実と虚構を混同した批評くらい危ないものはないよ。で、今回またまた驚いたのが坂口尚「VERSION」の次元論。いやー、ここまで誤読されると坂口尚も浮かばれんね。5次元がわかったって、あんた……クラインに失礼だろ。もちろん、最後まで読んでいたら次元の話し云々よりも違う方面に興味が傾くはずなんだけど。坂口尚短編集第2巻の「紀元ギルシア」の意味がないだろ。何故人間だけが青い放射に影響されるのか、この人考えたのかな……。なんだか腹立たしいので、私自ら「VERSION」について考察しよう。もちろん例の人とは全く違う視点から。 戻る
2月26日 芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」第8巻の「谷の道」について。やっぱり風景の話。しつこく風景がどうのこうのとすまぬ。でも今回は前回よりは幾分ましかと。時間がないのでこのへんで。
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2月19日 津野裕子「きくかてん」の感想。前回の更新同様にどうでもいい話から強引に風景の話にもってった。掲示板でも触れたが、今信長の野望に没入中のため、更新内容はしょぼい。感想文の内容は前回よりはましだろうけど。で、津野裕子作品(といっても「鱗粉薬」と「雨宮雪氷」だけ。「デリシャス」は未読。)には多くの言葉を必要としないだけに辛かったな。無理やりにでも書き上げればそれで中々いい気持ちになるけど、難しいね、漫画について何か書くって。次回更新はもうちょっとがんばらないとな。それに治虫忌はとっくに過ぎてたよな、準備していた手塚作品ネタも形にしないといかんな。
 さて、漫画批評の私見の続きはまたにして、というのも、松本サリン事件を扱った映画「日本の黒い夏」が公開されたから。長野県内だけ先行公開らしい。で、松本サリン事件は私にとってマスコミのいい加減さはもちろんのこと、その報道をあっさり鵜呑みにする大衆のばかっぷりを多いに実感した事件だけに、どう描くか興味があった(かの会社員を犯人だと信じて脅迫電話したり脅迫状送った奴って今何してんだろうね)。副題が「冤罪」だから、警察の問題を焦点にしてたら正直幻滅するところだったが、映画は期待通りにマスコミの報道のあり方とそれを信じてしまう市民の無責任さ(前者に重きが置かれていたけど、それでもこれを観れば考えずに報道を受け入れる市民の浅ましさも実感できるはずだ。)を伝えていたから嬉しい。ただしかし、この映画、ひじょーーーに地味で、その上ドラマが安っぽいのが残念である。というか、映画の面白さは、ない。テーマに押しつぶされた感じ。まあでも、事件当夜の再現場面は見応えあった。
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2月12日 しりあがり寿「方舟」の感想。ひたすらどうでもいい話から強引に主観を通して締めた。この作品はそれくらい言葉を拒む内容だった。もっと早く読みたかった。12月に出て、知ったのは1月。いつもの本屋になく、出版元も品切れで、オンライン書店の在庫漁ってようやくみつけて注文した経緯があって、その間期待が膨らむ一方だったのだが、読んだらあっさりとかわされて絶句した。まいった。傑作。内容はもちろんのこと、演出構成、過不足なく。
 続き。まず、印象批評について。まあ、仕方ないでしょ、印象批評でない批評なんて第一ありえんでしょうよ、という意見もあろうが、私もほぼ同意せざるを得ない、正直。だから撤回した。全ての批評は印象批評の汚れにまみれているし、それは拭いようがない。自覚してればいいかもしれん。だからといってくそタレントの「思い出の漫画」などという感想と呼ぶにこっちが憚られる文章なんて論外、拙文でも豊富な読書量を背景にしたネット上の感想の方がはるかにましであることは断言できる。でもここで問題にしている印象批評とは具体的になんぞや、となると頭を抱える。元祖・小林秀雄のような教養を誇る人間なんてもういない、手前の知識を武器に批評を繰り広げることの危険性は言うまでもないが、知りたいなら某巨大掲示板に行けばよろしい、そこでは無知を曝して何かを評した人々への容赦なき誹謗が渦巻き、また真面目な批評がいかに脆いものかということを存分に味わえるはずだ。そう、批評するってことは慎重にやってやりすぎることはないくらい繊細な行為なのだ。にもかかわらず、ただ漫画が好きだという理由だけで何ゆえ時間を割き財布を削り語ろうとするのだろうか……私はこれだけ漫画を愛しているのだという自己顕示か、否、私に限って言えば、啓蒙だ、これだ、啓蒙活動だ、その素晴らしさをどうにかして伝えたいのだ。しかし、具体的に何を伝えたいのだ? とさらに続く自問。
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2月5日 山田芳裕「度胸星」の感想をやっと書いた。高次元の話に絞ったが、思ったほど書けなかった。まあ、本読むのにかまけて肝心の感想文を長らく歩っぽいたためだけど。訓練について言及すればもうちょっと長い内容になっただろうな、とりあえず、サバイバル訓練は実際にNASAの宇宙飛行士訓練過程のひとつということだけを記しておく。
 さて、前回の更新日記の続き。印象批評は慎むといったけど、あっさり撤回。その理由は後に回して、私がやってる漫画系サイトについて書く。その数は実に有象無象、ところによっては小説や映画も扱ってる精神旺盛な人もおるわけで、孔子もびっくりの百花繚乱千々錯綜、猫も杓子も批評家作家ってな感じで、いやいやこれは現実にも無名の漫画批評家・評論家があまたいて、教養武器に理論振りかざして作品にいろんな意味をつけるのだ。そんなことすんなら自分の存在に意味をつけろよっと言いたいが、批評なんてそんなもんだろと居直って、漫画に寄りかからなきゃうちらは生きていけんとばかりに、あれこれ論じて傑作駄作と点数付けるのにいそしむわけ。漫画の批評に限らず、批評の弱点はまさにそこなわけで、そんなこと言うならあんた書けや、と言われたらはいお終い、そう言われないために作家よりも知識と専門用語並べて理論武装に一層励むのかもしれん。ところが、漫画批評は他の批評とはちょいと違う、それが読者。漫画ほど読者を意識して描かれる表現はないわけで、作品の行方の一端を握っているのだから、漫画家・編集者は常に読者の要望に耳を傾け、時に阿諛迎合、時に誹謗軽蔑。読者は読者で無責任な「面白い」「つまらない」の唱和、「面白い」漫画の連載掲載を常に切望、あるいは「つまらない」漫画の打ち切り抹殺を心から祈る。そうした戦いの果てに出版される単行本は数知れず、ひとりで全体を把握するに物理的に不可能となれば希求されるは紹介屋だ。で、こっちの方が数多い。紹介したいんだか批評したいんだがよくわからないところから、はっきりと「お勧め漫画紹介」を掲げているところもあり、ここで私に話が及ぶと、私は前者になるだろう。なんとも中途半端だが、漫画の批評を探るのが目的だから、紹介を旨とするサイトを退けると、これだけで対象はごくごくわずかに絞れてしまう。私? さて、とりあえずどっちつかずなのでまた後回し。一方現実の有名漫画批評家の人々だが、かの方たちは絶対数の少なさから紹介から評論まで手広くこなしているのでよくわからん。というか、社会を論じたいのか漫画を論じたいのかわからんので無視。私は純粋に漫画のお話がしたいのであり、「好きになった人がたまたま眼鏡を掛けていただけなのだ」という純粋な閃きではなく、「眼鏡を掛けている人が好きなのだ」という屈折した愛情を基に、つまりたまたま論じたいものの道具に漫画を使うのではなく、漫画じゃなきゃだめなんだ・漫画でないと思考できないんだよといったとことん下らない理念に執着しているのがネットで漫画を批評するという行為の実体だという発見に誰も賛同しない昨今、漫画を批評するほんとのところを思索していく。まだ続く。
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1月29日 幸村誠「プラネテス」。惚れた。昨年の「度胸星」に続き、今年も宇宙だ。どこがいいのか具体的に書いたけど、第1話の画面構成力は図抜けてるなー。物語自体は第2話以降に目を見張る部分が多いけど、作画に関しては最初っからほぼ完成されている感じ。いや。プロの目から見ればまだまだ荒削りという印象もあるかもしれんが。というか、いくつかのサイト(こことかこことかここ)でなかなか評判がいいのを見ると、ちょい自信が持てる。あと、「プラネテス」応援掲示板が実際あるから、そこもいいかもね。私はまだ書き込んでいないが、過去には作者自自身が書き込んでいるので、これから後にファンサイトに拡大する可能性あるね。
 筒井康隆「文学部唯野教授」を読んだ。これって漫画の批評にもそのまんま当てはまりそうだね。そして猛省。印象批評か、うん、やっぱ説得力に欠けるよね。なんかね、ありふれた賛辞をテンプレートにしちまえばなんでも書けちまいそうなくらい、数行の感想には飽き飽きしてたから、実際、作品名を検索して引っかかるのは、そんなのばっかりでうんざりしている私にとっては、印象批評をやるならそれなりの覚悟をしろってつまり、ばかであることを認めるということかな。自分も含めて、ほんと嫌になるくらいばかばかしいのだよ、いくつかのサイトはまだ感想文あるいは紹介文として役立っている面があるけど、それはたくさんの雑誌や漫画を日々読んでいるからだよな。まあ、たくさん読んでるところでも引っ込めボケと罵りたいサイトもあるけど。で、ひどい批評の見本そのまんまを私やっているんだよ、恥ずかしいねまったく。感想文と称しているけど、明らかにそうでない文章があるのを自覚しているし。幸いというかなんというべきか訪問者少ないから反論ってほとんどないけど。それに、これは前々から思っていたことだけど、「感想は人それぞれ」て便利な言葉ね、これってほんとに腹立たしいくらいの逃げ口上・おためごかしの極みなんだけど、この言葉切り出されるとどうにもならないというか、それに賛同してしまう連中もいるわけで、本心からそう思っているのか? ほら、人に迷惑かけなければ何してもいいだろって言う人、あの口上ってだいたい人に迷惑かけた後に飛び出すものだし、あれもほとんどそうだよ、なんか意見が食い違って、その摩擦からひょっとしたら何か新しい両者首肯する意見が生まれるかもしれないのに軋轢嫌って話中断してしまうのね。挙句の果てに面白ければ言いじゃんってお前自身が面白くないことに気付けってな具合で。すなわち「内包された読者」ね、これにピンときて、あんたそりゃおかしいよってはっきり言えそうな気がするのだよ。そう、確かに感想は人それぞれ、それを制限する気なんてさらさらないよ。でも、限度があるのはわかるでしょ、ナニ読んで人殺すのガキも読者か・感想か? そんなこたぁない。そんなの無視していいよ。つまりさ、何事も大前提ってもんがあるでしょ、それを見落とすとあほ呼ばわりされるのが落ちであり、ドラえもんを読んで「のび太のバカ加減が許せない」「ジャイアンの横暴は目にあまる」「もしもボックスなんてとんでもねぇ道具だ」とか言ってしまう奴になっちまう。私もそれに近いことやっている感想文書いているから、ほんとバカです、すみません。印象批評は慎みます、で、何を目指すか……これが問題。続きは次回更新。
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1月22日 今回は加藤伸吉の短編「MYMHz マイメガヘルツ」。「バカとゴッホ」の良さは言葉で表現できないし、そうなるとなんだか本当に面白かったのか疑わしくなってしまい、結果、この短編の読みやすさ・純粋さにたちまち引き込まれた。漫画の感想と呼べる出来ではないが、たまにはこういうことも言いたいものだよ。これでも言葉選んだつもり。だってこれかく前に読んでいた漫画は松田洋子「薫の秘話」だからね、それに比べたら、私の文章なんて小学生の愚痴並みだよな。しかしまあ、タンバリン持った何者かに近付かれたときは、通り魔ってこれだなっと思ったよ、ほんとに怖かった。
 くらもちふさこ「天然コケッコー」の最終巻が出た。達筆だね。
 さて、暮れに注文した書棚が先週届き、整理に追われた。これまで床に積まれたままの漫画のほとんどが収納されたが、それでほとんどいっぱいになってしまった、2つも買ったのに。いい加減見切りつけて一部処分しないといかんらしい。床が抜けたら事だからな、人事じゃないよ。
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1月15日 今年最初の感想文は坂口尚短編集に収録されている「野の花」である。こじつけめいた内容だが、最近、宇宙に関する本と並行して風景についての本も読み始めてしまい、なんか書けそうな気がし、もってこいの題材がちょうど目の前にあったから、つい書きはじめたら思いのほか長い文章になって驚いた。今回は中村良夫「風景学入門」を参考に風景論を自分で咀嚼して漫画表現をからめた「風景まんが」なるものの定義付けの足がかりにしようという試みなのだ。当面の目標は芦菜野ひとし「ヨコハマ買出し紀行」についての文章を書くことかな。いずれは「漫画におけるマンガの意味」初の長文として「風景まんが試論」とでも銘打ち、いろいろ書こうとは思っているけど、まあ気長にやっていこう。
 さて、「度胸星」の最終巻が出た。四次元については劇中で簡潔にわかりやすく解説されていて、山田芳裕の頭の良さに恐れ入った。それでも前前から予告していたとおり、「度胸星」の感想文は書く。現時点でまだ序文を書いただけだけど、どうにか形にしたい。
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1月8日 遅れ馳せながら、新年明けましておめでとうござい。今年最初の更新内容は井上雄彦「バガボンド」8巻について。絶賛する文章を幾度も目にして持ち前のひねくれ根性が湧き出した次第。でも、やっぱり巧いね、井上はん。
 また、ほとんどの頁をスタイルシートで統一しマイナーチェンジした。トップ頁も少し小さくまとめた。で、索引作った。これが中々冷や汗もので、というのも今まで書いたものの量があっさりしれてしまうからだ。なるほど、まとめてしまうとこの程度なのか、と卑屈になりながらもちょっとした満足感あり。あ行からわ行までとりあえず該当作品があったから。でも、先頭が「青い車」っていうのがなんだか嫌だな……。それと過去の企画も追加、このまま消すにはあまりに寂しいので。
 ところでしかし、今年は一層新刊の感想文が増えそうな気配。それと短編も増えるかもしれない、長編作品について書こうとすると、どうしても気負ってしまい疲れるのである。もっと紹介作品が増えたら、長編と短編にコンテンツを分けることになるだろうな。そんなわけで、今年もよろしく。
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